ICBCインタビュー「私の転機」第4回笠原利恵さん(インテリアコーディネーター)

人生100年時代のキャリア。
様々な転機をしなやかに乗り越えて、次の一歩やキャリアへ踏み出した方々や地域や社会にむけて事業活動されている方々をご紹介します。

第1回目はフリーライターいとう啓子さん
第2回目は「整頓学」主宰 馬渕正彦さん
第3回目は旅行会社おはようトラベル代表取締役、野村国康さん


第4回目の今回は、2級建築士の資格を持ちながらインテリアコーディネーターとして地域の工務店さんと一緒にリフォームのデザインや注文、仕上がりまでのトータルコーディネートで多くの方の住まいをサポートしているインテリアデザインR 代表笠原利恵さん。
インテリアのお仕事を選び、フリーランスとして独立するに至るまでのお話を伺いました。


長く続けられる仕事をしたい

現在、ワーキングマザーとして子育てとお仕事を両立されていますね。インテリアコーディネーターを選んだきっかけはなんだったのですか?

私が育った頃は「女性は勤めたら数年して結婚して仕事辞めるのがあたりまえ」という考え方で「大学よりも短大へ進学して大手企業に勤めて数年して辞める」という生き方が大半の時代でした。

私自身は「女性でも仕事をずっと続けていきたい。だから長く続けられる仕事をしたい」と思ってきました。高校生で進学を考えていた時、母からインテリアコーディネーターという職業があると言われました。「インテリアコーディネーターなら面白そうだし、長く働けるかもしれない」と、短大卒業後多くの友達が損保や商社、銀行へ就職して行く中、インテリアの専門学校に進学しました。
専門学校ではインテリアコーディネートだけでなく、建築や設計のことも学べて、インテリアコーディネーターと2級建築士の資格を取得しました。
卒業後は「まず実務経験を積もう」とリフォーム会社に入社して社会人をスタートしました。リフォーム会社では、商業店舗や個人住宅など様々な業種のインテリアコーディネートを経験できました。新卒で男性が多く、専門家の中で働くことは厳しい面も多かったのですが、学べるところも多く、その頃の経験が今にすごく生きているなと感じています。

結婚・転勤・出産、そして退職

長く続けられる仕事をしたいというところから、インテリアコーディネーターを選ばれたのですね。

仕事は厳しながらも充実してましたが、結婚した旦那さんの仕事の関係で大阪に転勤になりました。大阪でも仕事は続けていましたが、育休産休もなく、出産退職が当たり前の時代、妊娠と同時に退職しました。
仕事はしたいと思いつつも、両親は関東で子どもを預けることもできず、保育所も近くになかったので、子育てに専念しようと専業主婦として6年間すごしました。子どもを預けて働くことはあきらめていましたが、子供が落ち着き東京に帰った時には絶対仕事復帰しようという気持ちはずっとありました。
そのため、専業主婦期間は、インテリアの勉強をしたり関連資格を取得したり。何かできないかと模索していました。
上の子が小学校、下の子が保育園に預けられる環境になった時、本格的に就職活動をスタート。そしてリフォームの会社にてインテリアコーディネーターとして働き始めました。新しい会社では提案営業的な仕事が多く、新鮮でした。

独立へのきっかけ

笠原さんは2018年に独立されましたね、会社勤務から独立に踏み出したきっかけを教えてください

リフォーム会社に13年ほど勤め、独立をしました。建築の世界はまだまだ男性が優位なところも多く、今後さらに自分らしくキャリアを伸ばしたいと思っていた時に、フリーランスで活躍されている女性とたくさん出会ったのがきっかけです。それまではフリーランスで仕事をしようとは考えていませんでしたが自由に仕事をしながら、実力を発揮している方が輝いてみえて「私もせっかくの人生だから自分で思うようにやってみたい」と思うようになりました。ちょうどその頃、子宮筋腫で入院をして「自分の人生ここで終わったら後悔するかも?」と思う経験も大きかったです。

独立するには不安もありましたが独立に踏み出しました。収入ベースはまだ会社員時代の時がいいですが、やりがいや思い入れが大きく変わりました。 責任感、思い入れ、は依然と同じ作業でも全く違います。会社の看板は守れていて楽なところもありますが、と自分の看板は自分ごとになります。仕事の取り組み方も変化しました。大変なところは多いですが独立してよかったなと思います。いろんなところに行くことで人生の経験豊かな人と出会える。違う分野の人と、出会えることは仕事の大きなチャンスです。会社員の時は地域と関わる暇もないし地域へ関わるとは思いもしなかった。フリーランスになることで地域に目をむけるようになった。そして自分の暮らす地域や社会を考えながら仕事をすることはやりがいがあり面白いと感じています。

インテリアコーディネーターの皆さんと

13年勤めていた会社を辞めてフリーランスで独立されたのですね。

昔から自己成長意欲が高かった、様々な経験や体験をしたい意欲があるみたいです。専業主婦を6年していた時、子どもはとてもかわいいけど、家の中にいると煮詰まっちゃう感じがしました。「私は外に出て働くことで、人と出会い、お金を稼ぎながら勉強して成長したい。いつもそれを求めている。健康な時間は、働いていたい。」そう実感しました。専業主婦の母は家族のため子供のためと家にいた人だったので、子どもながら「家に絶対いるよりも本来自分が好きなことをして欲しかった」と思っていたのもあるのかもしれません。これからも子どものやりたいことも応援したいし、自分も自分の人生を楽しもう、作っていこうと思っていたいです。

リフォームの仕事で大切にしていること

リフォームの仕事は、家が変化する過程に関われてお客様のオーダーに沿って仕上がることにやりがいを感じます。表面的なインテリアの見栄えだけでなく、建築や施工の現場から理解して必要なご提案をすること大切にしています。

主婦と子育てを経験したおかげで、「暮らし」の実経験も踏まえて親身にご相談にのるようにしています。

印象に残っていることが、出産ブランク後のリフォーム会社で、最初に契約をいただいた一人ぐらしのおばあちゃんからの依頼です。
家に伺うと綺麗で一見、リフォームするところがなかったが、いろいろ話をしていくうちに、約200万のキッチンリフォーム工事を依頼されました。最初はびっくりしました。「あなたに頼んでみたい」 信頼してくださったことも嬉しかったのですが、 ご主人を亡くされたばかりですっかり好きなお料理をしなくなってしまったところが、キッチンをリフォームすることで再びお料理をやろうという気持ちになったこと。家に人を呼ぼうと思うようになったこと、前向きになれたことが嬉しかったです。自分の仕事が人の人生を変えられるものだなあと実感しました。

素敵なエピソードですね

私のインテリアコーディネートで関われたことが嬉しかったです。一度ご縁のある方から、ライフステージの節目ごとにご指名をいただくこともあり、それも嬉しいです。
人生は様々な節目があります。家やインテリア、暮らし方もその節目に合わせて変化します。お客様それぞれのお悩みと最良の人生に寄り添うアドバイザーでこれからもいたいです。

(インタビュアー ルスリール 浜田有里恵)

JAPANTEX 2019 @東京ビックサイト
JAFICAのセミナーでの登壇

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